競馬予想家協会の概要について


 競馬予想情報の発信は誰でも行うことができ、インターネットが普及した現代においては、多数の顧客を相手に情報を販売するビジネスが成立するといった背景もあり、現在、競馬予想家を名乗る者を含め、競馬予想情報の発信を行う者(以下「予想家」という。)は相当な数にのぼると思われます。

 また、競馬の配当は、胴元が馬券購入金額の一部を控除した上でオッズが定められるパリミチュエル方式で行われるため、優秀な予想技術を持つ予想家は、その技術を秘匿し、予想を有料化して顧客を囲い込むことに合理性を見出すのが自然であることから、優秀な予想家がますます見出されにくいといった状況が生じています。

 このような状況下では、競馬ファンは、より有用な情報発信者の情報にアクセスしにくく、いわゆる悪徳予想業者等の被害に遭遇するリスクも比較的高くなり、予想家は、予想技術が高くなっても、それを外部に出していくメリットはなく、一定の顧客を囲い込んだ予想情報の有料化に行きつくことになり、予想技術の交流的発展は、一部のメディアに出演している予想家が中心にならざるをえません。

 当協会は、客観的な評価基準を設けることにより、優秀かつ誠実な予想家を明らかにし、当該予想家の活動を支援することを通じて予想家に新たな価値を創造するとともに、競馬ファンがより競馬予想を愉しめる環境整備を進め、ひいては、競馬予想文化の発展に寄与することを目的としています。



補足説明(会長より)

 会長を務めさせて頂きます、スカイポットと申します。
 私は馬流天星というサイト運営を中心として、「競馬予想の芸術化」を標語に、予想技術の向上や競馬の社会的地位向上を目指した取り組みを検討及び推進してきました。

 具体的には、競馬ファンが、競馬を必ず負けるものと誤解している方に理解してもらえるよう、競馬に大数の法則が適用されないことを説明する記事を書いたり、実際に事前公開予想(買い目と金額を公開)で4年連続プラス収支を達成したり、予想の力量を可視化するために独自の評価基準を導入するなどをしてきました。

 また、より大きな視点で言えば、競馬予想界に、将棋界における棋士のように社会的に認められた地位を作るなど、予想家に予想家であることの誇りを持てる環境を作ることや、「プロ=単なる予想屋」以外の道を開拓すること、一定程度の予想技術・結果を開示することにより、競馬予想が知的芸当であることを伝え、競馬自体の文化度を高めていくことなどをビジョンに描いています。

 私も競馬予想情報の発信をしている一人であり、自分の予想をより多くの方に評価して頂きたいという気持ちはありますが、いち競馬ファンとして、より有用な情報発信者の情報にアクセスしたいと思っており、予想情報発信者の乱立した状況において、真に実力のある者がしっかり見出され、評価される仕組みを作れないか、特に、誠実に予想情報を発信している方をより優遇できないかと考えてきました。

 その仕組みの提案のひとつが、当協会による「成績開示予想者」の登録システムです。

 予想の評価基準の策定及び予想成績の開示を求めていく意図について、そもそもの私の問題意識には、下記のようなものがありました。

○より合理的な予想の評価基準を作成し、普及させること
 現存する予想評価基準が拙い(「的中率」と「回収率」の概念しかないですが、いずれもそれだけでは真の予想力は測れない(※下記参照))ため、予想の評価が容易にできません。評価基準があれば、予想の具体的な回収効率を客観的に示すことが可能となり、例えば、誠実に情報発信を行っている予想情報発信者が、たまたま不的中が続いた時に会員になった人から「悪徳業者」との風評を流されることを防ぐことにも繋がりますし、同業者等の嫌がらせで書かれる口コミを不当であると言うことも可能になります。また、一人ひとりの競馬ファンが当該指標を高めることを目標にして競馬予想の研鑽を愉しむことができます。

 競馬予想家協会では、予想成績開示規則において「予想力」という指標を採用しています。これにより、予想発信者の予想力は、安定したプラス収支となる的中、数少ない高額の回収に頼らない回収を重視した評価がなされることとなります。

○誠実な予想情報発信者を明らかにすること
 予想に係る分析過程や虚偽のない成績を開示する等、誠実に予想情報を発信している良心的な予想家(成績開示予想者)に対し、当ページでの公表やメルマガでの特集及び常時掲示等の優遇措置を採ることでメリットを付与するなどのサポートを実施します。その結果、いわゆる悪徳予想業者が怪しいと思われやすい環境を醸成していくことができればと思います。


<予想情報発信者の方へ>
 既に有料予想を販売している方にとっては、一部の情報開示(例えば、1日に予想を配信する15レース中の1レースを公開すること)が既存顧客のデメリットになるという否定的なお考えもあると思います。

 しかし、情報発信者がどれくらい競馬予想に熟練しているかを顧客が判断し、納得して予想を購入できたほうが顧客の利益に資するでしょうし、予想レース数が多いよりも、予想の精度が高いほうが顧客にとってはメリットになると考えられるのではないでしょうか(もちろん、沢山のレースを賭けたいという顧客がいることも否定はしませんが)。

 また、パリミチュエル方式の競馬だから難しいといった意見もあろうかと思います。つまり、予想発信者を信奉している顧客は、その発信者の情報がより日の目を見ることによって、同じ馬券を買う人が増えて、オッズ的に損をしてしまうと考えるだろうということです。しかし、開示を求めるレースは一部のレースで構わないとしているので、直接的にそれほど影響はないとも考えられますし、レース発走直前に公開(予約)し、予想購入者以外の者に事前に公開しない方法も認めています。

 競馬に興味のない層も多数いる現状、競馬(予想)という娯楽が絶対に負けるギャンブルではなく、予想理論によって成績を向上できる知的なものという理解を広げることによって、顧客層を拡大することも可能と思われるので、一部の予想情報及びその実績を公開して信頼を得ていくほうが、予想情報発信者のメリットになる可能性はあるのではないでしょうか。

 さらに、予想家が自身の有能性を評価してもらおうと思った場合、的中実績をアピールするなどするものですが、巷には実績の虚偽やねつ造が横行していて、容易には信じてもらうことができません。たまたま、不的中が多い時期に会員になった人には悪徳と言われることもあるかと思いますし、少し知名度が上がった際に、同業他社が業務妨害として匿名掲示板や口コミサイト等に悪評を流すこともあるかもしれません。そういった場合にも、当協会の開示規則等に則った予想開示を行っていれば、閲覧者に誠実な予想家であることを納得させることができると思います。

 ということで、公開の場で予想をしても収支プラスを継続できる実力を持っていると自負されている方や、もっと評価されたい、注目されたいという予想情報発信者は、予想成績の開示に関する規則に基づく、「成績開示予想者」の登録を検討頂ければと思います(具体的には下図登録方法概要及びQ&Aをご覧ください)。ご自身で予想成績をまとめて頂く必要はありますが、当協会が無償であなたの実力を確認・証明しますし、成績開示予想者に対しては、当協会において周知のサポートをいたします。




<競馬ファンの方々へ>
 現在、ネット上には多数の競馬予想情報が発信されていますが、その中で、本当に予想技術に長けた優秀な(そして、成績を表明できる程に誠実な)予想を選別して読みたいと思わないでしょうか。この課題を、より良い方法で解決していくために、当方において「競馬予想家協会」を設立しました。

 「競馬予想家協会」は競馬予想情報を発信する方にも、競馬ファンの方にもメリットのある仕組みを提案するものですので、皆さまからもご支援等頂ければ嬉しく思います。

 当協会における評価は、誰でも確認しようと思えば確認できる、一部予想の事前公開による方法によるものです。外部からでもある程度容易にチェックができるよう、元となる予想場所へのリンク等を掲載しています。協会の審査に加え、できれば読者の皆様方からもダブルチェックをして頂ければ助かります。

 また、ウェブサイト、ブログ、メルマガ等、予想はしない又は自信がないけれど情報発信ツールを持っている方は、当サイトをご紹介頂けないでしょうか。紹介して頂いた方には、当方のメルマガでも貴媒体を紹介させていただきたいと考えています。(メールを頂ければ確実です)

 競馬予想家協会の設立趣旨に賛同し、応援してくれる方は、下記のメールアドレスまで、お名前(HN可)、競馬情報発信サイト等をお持ちであれば当該アドレスを、ご連絡頂ければ幸いです(右の「支援サイト」にリンクを表示させて頂くとともに、今後、協会運営における情報交換や意見募集等をさせて頂きたいと考えています)。また、審査作業のご助力等、協会活動に協力したいという方がいればその旨もご連絡頂ければ幸いです。


(協会窓口メールアドレス)baryutensei-forceshelt@yahoo.co.jp



※追加補足:「的中率」と「回収率」を予想の評価基準としてそのまま利用できない理由(ブログ記事を一部修正)

 予想実績を客観的に示す尺度に「的中率」と「回収率」しかないというのは、予想そのものの文化的未熟さを示しているのではないだろうか。

 「的中率」は、予想における買い目において、ひとつでも当たりがあれば「的中」とカウントされるものである。収支がプラスであることを問わないので、極論を言えば、10000円を購入してそのうち1.1倍の100円の複勝が当たっても的中率は上昇することになるし、出走馬全ての単勝を買えば的中率を100%にすることができてしまう。従って、的中率の高さのみで予想力ははかれない。

 一方、「回収率」にしても、100レース予想してそのうちの1Rだけ的中してプラスを達成したようなケースを想定すると、たまたま当たっただけかもしれずその人の予想力が反映されているかについて疑問が残る。

 予想は儲かれば良い、という考え方のみであれば、あるいは回収率基準は機能していると言えなくはないが、予想芸術化の観点を持てば、予想者のレースの見立ての精度は求められるべきであり、検討違いの見立てばかりをする(的中率の低い)予想者は評価されるべきではない。

 また、回収率至上主義を採れば、大きな配当が得られた都合の良い期間をピックアップして予想巧者であることをアピールすることが容易となってしまう。

 以上のことから、既存の「的中率」と「回収率」は予想力を示す基準として一定の機能はしているものの、一見して予想家の予想力を判断できる客観的な基準までには至っていないのではないか。これまでは、それゆえに予想の芸術性は予想文で評価されるものとして、予想を公開した上で、フィギュアスケートの審査員による技術点と演技・構成点を分けた評価の仕組みのようなものを作ってはどうかと考えたこともあるが、既存の「的中率」と「回収率」を一定の基準で細分化することで、機能の改善、向上が見込めるのではないか。

 的中率は、点数を絞って高配当を得ても、かすった程度の取り紙でも、同じ評価をされていまうのが課題である。また、的中率は本来予想の堅実性を担保するための指標であることを踏まえると、取り紙になるような的中の水増しを明らかにするような指標を作れば良いと考えられる。

 回収率は、まぐれ当たり的な少数の的中にも影響を受けやすいことが課題である。従って、回収率の高い一部のレースを除いた場合に、どれだけ回収率が落ちてしまうかを明らかにするような指標を作れば良いと考えられる。

 以上の検討により、下記のとおり提案する。

・的中率を、課題を踏まえ以下のとおり分割して表示する
「増益的中率」…回収率110%超となったレースの割合
「返戻的中率」…回収率75%超〜110%となったレースの割合
「減益的中率」…回収率0%超〜75%となったレースの割合

・回収率を、課題を踏まえ以下のとおり分割して表示する
「単純回収率」…従来の「回収率」
「保守回収率」…回収率の高いレース順に並べて、予想数の上下2%をそれぞれ削った上で計算される回収率

(従来の「的中率」は「増益的中率」、「返戻的中率」、「減益的中率」の合計で認識可能)

 これらの値を見ることで大体どのような予想をしているかがわかるし、もし更に1つの基準を設ける必要があるのであれば、それぞれの項目別に一定のレートを掛けて足し合わせ、「予想力」を求めればどうか。

 これによって、予想力の評価をより正確に示すことが可能となると考える。

 予想には技術が必要であり、技術を高めることによって予想力は高めることができるという考えは、予想を真摯に取り組んでいる方は理解されていることだと思うが、そのレベルアップは何をもって管理しているのだろうか。

 自分のことを省みれば「的中率や回収率を見て判断してきた」としか言えず、その基準の精度を高めることには思い至らなかったというのが率直なところだ。

 だとすれば、よりしっかりとプラスを計上したレースを評価し(的中率基準を改良)、よりまぐれでなくコンスタントにプラスを維持できる(回収率基準を改良)基準を採用することで、予想力の向上を明確に把握できる環境となるのではないか。

 競馬予想本や雑誌を見ると、実績による広告や謳い文句が幅をきかせている。それは、馬券で儲かる実績があるか、馬券で儲かる理論かどうかを重視する競馬ファンのことを考えての当然の方法であり、自分も否定するものではないが、その実績の真偽や内訳が不透明であり、そもそもの実績の基準にも上記に指摘したような課題があることが根本の問題なのだと思われる。